いよいよ、本文です。序章は、とても抽象的で、理解し難かったかもしれませんが、この本は、実例を交えながら、楽しく読み進めることができる本です。
しかし、内容がとても濃く、一度読んでもなかなか要点(私もまだまだ未熟ですが……)を掴むことが難しいかもしれません。だから、私と一緒に読んでいきましょう。
本日は、マネジメントの役割についてです。
この章では、「マネジメント」の役割を、何を3つのセンテンスでまとめています。
①自らの組織の役割を果たす
②仕事通して働く人を活かす
③自らが社会に与える影響を処理すると共に社会の問題について貢献する
です。
『自らの組織の役割を果たす』の『役割』とは、例えば「病院」であれば「病気を治すこと」であり「ホテル」であれば「最高のおもてなしで、顧客に滞在の満足感を与える」などです。つまり、組織の根本的な『目的』を果たすために、マネジメントはあると説いています。
この目標設定が本当に難しい所です。
例えば、銀行の本当の目的は、何か?深く考える方は少ないでしょう。組織が大きくなればなるほど、組織の目的が漠然としてくるものです。だから、大きな不正は大企業が主役となる場合が多いのです。レストランや病院、ホテルなど、顧客が近い職場は、ミッションが明確ですが、大組織で働く人々は、顧客との距離があるため、自分たちのミッションを見失いがちでなのです。
卑近な例であれば、「期間内の収益額の達成」や「売り上げ達成」など、成果主義で評価される項目だけに心が集中して、非倫理的な方法を使ってでも達成しようとする輩が出てくるということです。
『仕事を通して働く人を生かす』の『生かす』の意味は、組織は、人々の仕事を通じで生活の糧を得、社会的な地位やコミュニティとの絆をはぐくみ、自己実現するための手段である、という意味です。
つまり、組織は手段であり、人を生かす(生活する)ためにも重要な意味がある、と説かれています。
そして『自らが社会に与える影響を処理すると共に社会の問題について貢献する』の意味は、「自ら」は、「組織」を指します。組織自体が社会に与える影響を処理(対処)すると共に、積極的に社会の問題解決に貢献しなければならない、と説いています。
この考え方は、何度も何度も繰り返し出てきますし、この考えを理解することで、組織の在り方や、事業の進め方に悩みや迷いが無くなると思います。
組織は、組織に与えられた『使命』を全うするために、組織で働く人々の生活を守り、そして、個人個人の幸福を追求し、組織が利潤を得ながら、社会の問題に対して、果敢に挑戦し、改善に貢献するべきである。
これらの、一連の活動には『時間』とい要素も大きく影響します。
マネジメントは、常に「現在」と「未来」、「短期」と「長期」を意識して行わなければいけないと書かれています。
『存続と健全さを犠牲にして目先の利益を得ることに価値はない
壮大な未来を手に入れるために危険を冒すのは無責任である
短期的な経済上の意思決定が、環境や資源に与える長期的な影響を考慮しなければならない
はっきりとしている事は、未来は現在とは違うという事である。しかし、未来が現在と如何に違っていても、現在の延長である事は、真実であり、現在からしか未来に到達できない。
未知への跳躍を大きくしようとすればするほど、基礎をしっかりさせなけれならない。』(10頁より)
組織は、短期的な利益を追い求め、将来的な環境悪化や資源の枯渇などを考慮しない活動は行ってはいけない。なぜなら、明るい未来を殺してしまうから。
組織は、時間軸を長期、短期で考え、着実に人類の繁栄を築くために、今を大切にしなければならない。
マネジメントには、管理的な活動と起業家的な活動があると言っています。
マネジメントは、既知の事を管理すると同時に、起業家として明日を創造しなければならない。
そして、社会が関心を持つのは「結果」である。と説いています。
組織は、現実に起きている事を管理、監督して、組織の目的から逸脱せぬように管理する事は当然だが、同時に社会的な使命を果たすために、果敢に挑戦して、明るい未来を創造することも同時に求められる。
そして、社会が求めるのは「結果」であり、それは、各々の組織が果たすべき役割によって決定されるべきである。
少々長文になってしまいました。
なかなか、一言では言い表せないですが、「組織は各々の『使命』を果たすために、そして、働く私たちのためにある」という事だと思います。
では、本日は、これまで。
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