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経営者支援 ITコーディネート業務効率化システム構築

執筆者の写真清水 尚志

「働き方改革をすぐに実現するコツ」を受講しました


今回の研修で「働き方改革」とは何も特別なことではなく、ごく普通に合理化して時間の使い方を改善する活動であるという点が斬新に感じました。















そもそも働き方改革とは何

近年、働き方改革が論議されてますが、「時間外の削減」→「早帰り」→「自分の時間・家族と共に過ごす時間の増加」→「人間らしい暮らし」のシナリオで議論されていますが、一番最初の「時間外の削減」の方法が、「最先端のツールを使いましょう」的なアプローチが多いと感じていました。

勢い、「時間外を月に40時間から20時間に減らしましょう」「帰る時間を会社が決めて、それ以降はオフィースをクローズする」など結果だけ求める施策も散見されます。付き合い残業など、そもそも、密度の低い仕事を行っていればこのような施策は効果があるのでしょうが、精神論だけでは、結局は仕事を家に持ち帰ったり、帰りに喫茶店で仕事をするなど、本来の目的とは反して、給与を削減しただけとなってしまうケースが多々あります。

すなわち、働き方改革とは「あくなき生産性の向上を目指すこと」だということです。

生産性の向上は精神論だけでは解決できません。そこで「生産性向上」をどのような方法や、組織壁、働く側の心理を改革するか、もっと円滑な意思決定を図るにはどうすれば良いか、など多岐にわたってわかりやすく解説して頂きました。


会社は人間が働く場

当たり前ですが、会社は社員、すなわち人間が働く場です。多くの方は仕事に誇りをもって働いています。しかし、合理化とは、今行っている仕事のやり方を変更したり、仕事そのものがなくなったりするわけで、突き詰めて言うと今までの仕事の全否定になります。これでは、自尊心が傷つき、改革を前向きに捉えることができません。

日本人の勤勉性が、逆に抵抗勢力化の元凶となっているのです。

だから、働き方改革をすすめるには、会社で働く人間の心理状態をケアーしながら推進しなければ成功しないということです。


生産性があがらない理由は何

「そもそも仕事量が多くて人手が足らない」「上司からの指示がコロコロ変わって手戻りが多い」「会議が多くて、長くて、時間を浪費」「仕事ができない人がいて足を引っ張る」など、現場での不満は多岐にわたります。

つまるところ、仕事の進め方や考え方(企業風土)を変えない限り、どのような方法論を持ち込んでも成功しない、すなわち生産性があがらないのです。

繰り返しになりますが、働くのは人間なので、みんなの気持ちを変えて本来の意味での生産性向上に取り組まなければならないのです。


では、具体的にどうすればよい?

キーとなる考え方は「楽をして早く仕事を終える」という考え方です。

日本人は生真面目なので、仕事で「楽する」とは、イコール「手抜き」であり、悪いことと考えがちです。

頼まれた仕事は100%完璧に仕上げなければ気が済みません。

でも、その考えが、非効率を生むことになります。

「楽」とは「力の入れるところ」と「ぬくところ」を押さえて、効率的に仕事をするということです。

また「早く」は効果的な方法(手順や段取り根回し、ITツールなど)を活用して1秒でも早く仕事を終える事です。


仕事の手戻りを無くすためにはどうする? 手戻りする仕事の多くは、上司からの特命を受けた場合に多いです。つまり、「○○社宛の企画書を作って」とか「□□の改善案を報告して」など言語明瞭、指示内容曖昧なケースで発生します。反面、依頼した側も「納期に間に合うか」「内容は自分の思ったものと同じか」上司として心配しています。また、人によっては自分の意見は無く、とりあえず「教育」と称して丸投げして出来上がった資料にケチをつけながら考えるタイプもいます。こんな状況で、自分として100%の状態の資料を提出しても、多くの場合徒労に帰します。つまり無駄になるのです。

上司の心配をケアーしつつ、無駄を排除する有効な方法は、完成度が低くても頻繁に上司に確認することが有効です。誤字脱字、「てにおは」の誤りは気にする必要はありません。これから作成する資料の方向性を確認するのが目的だからです

社風によっては、完成度の低い資料での相談はご法度の場合がありますが、その社風を変えなければ無駄を排除できないのです。また、過度に作り込んだ資料を貴ぶ社風もあります。何のための資料なのか依頼側と受託側が理解しないと悲惨な結果しか生まれません。


「判断が遅い」を何とかしたい。

判断が遅い、できないのは、会社の価値観が決定・周知されていないからだと言えます。つまり、何が一番重要なのか価値観がバラバラな組織では、それぞれの立場で正論が成立して決定できなくなるのです。たとえば、運送会社の場合、「安全は何よりも優先される」と定義した場合、問題が発生したり、何か重要な経営判断を下す場合、安全になる法を選ぶはずです。少しでも「儲け」を優先しようとすれば社是と相いれなくなり、選択対象から外れます。また、現場でも、特に命令がなくても安全確保のために自主的な行動をとるでしょう。経営者から現場の担当者まで価値観を共有する事こそが早い判断を得るための唯一の方法といえます。


指示がうまく伝わらず違う方向で進め、後で手戻りが発生するがどうすればいい?

言葉は、使う人の歴史によってニュアンスが変わります。大きいと言ってもどの程度大きいのか、象より大きいと言っているのか、犬より大きいと言っているのかわかりません。また、魚の絵を書いてといっても、写実的に書く人、漫画的に描く人様々です。つまり人の感性に依存しない指示の出し方が重要なのです。抽象的な形容詞を排除して、数字や図、具体的な名称などを使い、誤解の発生を生む余地を排除することが大切です。稟議や仕様書などのビジネス文書は、簡潔かつ具体的な記述を良しとし、散文的な文書は良しとしない文化が大切です。これが徹底されれば、無駄な尊宅が不要になり早い決済を得られます。

他にもいろいろと具体的なコツを伝授して頂きましたが、人間の本性に逆らわず、自然な流れ、組織の特性を活用して、いかにしてコミュニケーションを円滑、かつ、合理的、かつ、正確に行うかが、働き方改革の肝であるとのことでした。

一つ一つの提言が、忘れかけていた、日頃の不条理感をすっきりと納得させてくれる講義でした。また、何かの機会があれば、是非聴講させて頂きたいと思いました。

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