私が起業して1ヶ月あまりですが、まだお客様がいない日々が続いています。
そんな中、石川県産業創出支援機構(ISICO)さんに相談した際、金沢市商工会議所の各種セミナーに参加することを勧めて頂きました。
初めての参加でしたが、多くの商工会や市町村の担当者様と会話もできて、とても有意義な会でした。
ぜひ新しい起業家の皆さんもゼミナールに参加されることをお勧めします。
目指すところは違えど思いは同じ
パネリストの3名は、業種も違えば、企業時の動機も様々ですが、共通する点がありました。
それは、顧客を大切にする以上に社員を大切にするということです。
「心結(kokoyui)」さんの越田社長は、祖母の着物が着られずにタンスにしまわれている事が悲しくて、もっと多くの方に着物を着て幸せになってほしいとの思いから、着付けと着物のレンタルを始められたそうです。着物への愛着と人々の幸せを掛け合わせて、着物レンタルのビジネスモデルができたとおっしゃっていました。
その延長線上に「金沢の街をきものを着て散策する人々を増やしたい」「日本一の金沢観光を目指したい」「もっと多くの方を幸せにしたい」との思いから、店舗を利用しやすい場所に構えたり、せっかくの晴れ姿を写真で残してあげたいと夢が広がり、現在では車での移動営業からビルの3フロアーを使って営業するまでに事業が拡大しました。
事業が拡大するに伴い、従業員が増えていきます。従業員はそれぞれ専門的な技術をもっており、それをうまくコーディネート(シフト割)しなければ、うまく運用できません。そこで、顧客の利便性と従業員の勤務時間の自由度を上げるために、WEB上で各種サービスの予約ができる仕組みを構築されたそうです。
顧客と従業員の幸福のために先行投資された先見性と社員に対する優しさは、社長のキャラクターからもにじみ出ています。蛇足ながら、今回作成したシステムを外販して、システムを構築してくださった会社にも恩返ししたいと言っていました。このあたりも、まさに、社長らしい発想だと感心しました。
また、社員の働き甲斐を高め維持するには、創造的な活動や発想を大切にして、どんどん仕事に取り入れることだとおっしゃっていました。社員一人一人のやる気が会社を成長させ、社員自身も成長する。とても大切な社員との関係であると感じました。
「ダイバーシステム」さんの東海林社長は、定年を機に自分の実績や仲間の棚卸を行い起業された方です。たった3名ではじめた会社が、今では16名まで増えて、現在は制御盤の受注で忙しい毎日を過ごされているそうです。
創業当初は、気心が知れた仲間と苦楽を共にして営業活動を行っていましたが、製造部門の拡充に合わせて社員を雇用、人作りからお始めになったそうです。人材を人財に育てるためには費用が掛かります。いかに従業員の目標を具体的にし、そして達成させてあげるかが社員離職防止の一番大切なことだとおっしゃっていました。60歳で起業成されてすぐに発生した問題、それは事業継承ですが、幸いにもご子息が後を継がれるようなので、ますます地場の大切な企業に成長されると思います。
「トリトンモータース」さんの数馬社長も、人と人のつながりの重要性を語っておいでました。過去のお仕事では、日々、車の整備に汗をながしていましたが、客様との接点がなかなか無く物足りなさを感じていたそうです。何回かの転職を経て、お客様とのつながりが持てるようになり、独立されたそうです。
独立し、仕事が増えると事業主に全ての負担が集中して、いずれ限界を迎えます。
スタッフを雇用したり専門家に業務を委託したりして業容拡大に対応したそうです。
自分だけでできることは限りがあり、様々な方々の協力を得て、社長が考える新たな事業を展開するそうです。顧客を大切に、スタッフを大切に、そして自分の夢を実現するために日夜頑張っているそうです。
最後に
私自身、あまりパネルディスカッションという形態のセミナーに参加する事がなく、今回のような実際に起業されて成長されている方々と直接お話を頂ける機会は大変に有難く、ためになりました。
わたしも「ITを利活用して既存の延長線上にない成長を実現する手助けをしたい」との思いで起業を決断しましたが、この思いを達成するには「人材」を「人財」と考え、お客様と同様に大切にすることだと再認識いたしました。
大変為になる「創業力向上ゼミナール」の開催していただいた金沢商工会議所の皆さん、そして、私の相談を聴いていただいた各商工会、市町村の担当者様、本当にありがとうございました。
Kommentit