本当に必要なシステムは、地味なものです。
しかし、地味なシステムは、経営者の注目を集めることは少ないのが現実です。
企業が本当に必要なシステムの一つとして
『売上を個社別に管理し、確実に請求し、確実に入金管理を行う仕組み』
があります。
「売上の管理」は経営の基本であり、余りに当たり前すぎる事務であるため、経営者は「我が社はすでにシステム化は完了している!!」と誤認している場合が沢山あります。
例えば、ある日顧客から請求金額についての問い合わせがあり、調べてみると、何年にも渡って、請求額が過大であった事が発覚しました。
原因を調べてみると、エクセルの修正ミスが長年にわたって放置されていたために発生していたのです。
経営者は、売上管理の多くがエクセルで行っている事実を目の当たりにして、「こんなに杜撰な管理を行っていたのか!!」と事故が起きて初めて知り、愕然とするというパターンです。
実は、会社の経理が問題なく管理されていると見えるのは、経理担当者の日々の努力、人的なスキルに依存している場合が多いのですが、この事実を経営者が気づいていないのです。
いや、気づいていても「今まで確実に管理出来ていたのだから、この先も大丈夫」と根拠のない自信で放置している場合があるのかも知れません。
確かに、会計システムは導入されているでしょう。売上管理システムも導入されているかもしれません。しかし、それらを確実に連携させる仕組みが無い場合が多いのです。その『スキマ』を埋めているのが、経理担当者なのです。
そんな折、システムのスキマを埋めるべく、「最新のテクノロジーで対応しませんか?」と甘い言葉をかけてくるベンダーがいます。
曰く、「システムとシステムを結びつける単純作業はRPAにお任せ!!」「人手だから間違えが起こるのです。ロボットなら間違えません」と。
この主張は、ある意味正しい意見です。
ただし、前提があります。
『処理対象に変更が無い場合』という大前提条件です。
つまり例外が無いことが前提になっているのです。
日々の事務処理で例外が無い事はありません。何らかの変化が日々発生するのが現実でしょう。
簡単に事務をロボット化すれば解決するほど、現場の事務は簡単ではありません。人間の処理能力はとても高いのです。変化に強いのです。(反面、反復作業には至って弱いという特性もありますが……)
このような会社には、本当は、「地味なシステム」、つまり、当たり前のことを当たり前に処理できる『仕組み』が必要なのです。
しかし、この部分は、会社の文化を反映しているところなので、パッケージシステムを単純に導入しても、円滑に業務が回らない事が考えられます。
もし、うまく運用するには、今の仕事の流れを全て捨てて、全てパッケージに合わせる事が必須ですが、今までの商慣習を一気に変更する事が出しないため、必要な機能をカスタマイズして実現する必要が出るのですが、そうすると、莫大な費用と、時間が掛かります。
そうなると、経営者は、そんな高額な投資をしても、当たりまえの「地味な効果」しかない考えて、経理担当者に「間違わずにシッカリ事務を行え!!」と精神論に逆戻りします。
この繰り返しが、現在の中小企業の事務部門の実態だと思います。
この、悪循環を断ち切るためには、大企業のシステム導入ステップが参考になります。
大企業が、今のシステムにたどり着くまでには、様々な苦労や無駄な投資もあったと思います。しかし、長年の苦労の末、ベストプラクティスが見えてきています。その方法論は、以下の通りです。
①情報基盤(社内リソースのデジタル化)を整備する。
②基礎情報の精度を維持するための体制(組織・責任部署の指定)を整備する。
③まずは、簡単な業務からシステム化する。(システムの使い方を練習し特性を知る)
④システム化の勘所が分かった上で、例外処理が多い業務をシステム化する。
その際、例外処理が本当に必要かを検討し、例外処理を無くせないか検討する。
⑤最終的に、特定業務がシステム化されて、生産性が向上する。
⑥特定部門の合理化が完了したら、そのノウハウを活用して他部門に横展開する。
又は、他部門の単純な業務は並行して対応し、社全体の生産性を底上げする。
です。
システム化は、決して華やかなものではなく、地道な改善の積み重ねです。一挙に合理化する場合は、今までの文化を全て捨てて既製服に体を合わせる決意が無ければ達成できません。(社内が大混乱に陥る可能性が大であり、失敗のリスクも大です)
システム化は地味なものであると認識し、一歩一歩進めなければなりません。
その基盤として、「EGsuite」があります。
是非、一度ご検討ください。
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