日々の生活には、大小や軽重の差があれど、様々な「課題」が発生しています。それらの解決を避けていると、課題が課題を生み、どんどん深刻化します。職場も個人でもおなじです。だから、「課題」に気づいたら、即、対応(解決)しなければいけません。
「そんなことは当たり前だ」という声が聞こえてきそうですが、しかし、「これが課題解決策だ」と考えたことが、実は、本当の解決策ではなく、結果的に「解決されずに放置状態」のままである場合があるのです。
例えば、ある会社で「最近残業が増加している」という課題が発生したとします。社員が集まって、課題対策について議論した結果、原因と対策がいくつか机上に上りました。①書類の集まりが悪くて締め日近くに書類が集中する。→書類の締め日を前倒しにして処理を平準化する。②繁忙日に事務が集中する。→部門同志助け合いの精神で人員を融通しあう。などなど……
あるあるの対策ですね。
でも、そもそも、締め切り間際に書類が集中する理由は、何なんでしょう?みんなみんな、期限にルーズなのでしょうか。他に原因は無いのか検討していませんね。もしかすると、そもそも、書類提出に必要な情報は締め日直前に確定するために早期に提出できないのかもしれません。
もっと深く考えると、その作業は本当に必要な事なのでしょうか?
まじめな人ほど、自分に任された仕事を一所懸命になって処理しようとします。もうすでに、その仕事の意義が失われていたり、報告期限が慣例で決まっていて、特にその日までに完了させる必要がないのだけれども、それを遵守することが自分の仕事と考えて、必死になっていたりします。
しかし、「そもそも論」で仕事を見直すことは、現場の人々が行うのは、かなりハードルが高い作業です。
そもそも論を言う前に、「楽したいからだろう」とか思われないか、「協調性がない」と人格攻撃を受けないか、評価が下がらないか、などなどネガティブな思いが湧いてきます。
また、事務職に多いのですが、「残業する」イコール、「私は忙しい」「私以外にこの仕事はできない」などのプライドを表現する手段であったりもします。
課題という現象は、あくまで結果であり、課題発生の原因は様々な所にあって、複雑に関係しています。
だから、課題の原因(要素)を細かく分解して、原因の源泉を探りながら、よく似た原因を集めて汎化(モデル化)したのち、それらを解決する具体策を考え、実行できるレベルまで検討し、計画を策定する必要があります。
この作業は、簡単そうで、かなりのスキル(経験)が必要な作業です。だから、最初は、スキルのある専門家の知恵を頼るこのも方策です。そして、専門家の支援を受けながら、社員が経験を積んで、自律的に問題解決できるようにします。
病気も課題も、気が付いたら早期対応が肝要です。早ければ早いほど回復が早いし、損害も少なくて済みます。ぜひ、専門家としてITCを活用してみてください。
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